こんなことがありました。

3月23日(水)卒業証書授与式

2022年3月25日 13時58分

16日(水)深夜の福島県沖地震では、無事にこの日を迎えることができるのか大きな不安がありました。しかし、保護者の皆様のご理解とご協力、相馬市教育委員会のサポートなどのおかげで、37名の卒業生を無事に送り出すことができました。

 

 

 

 

 

 

  卒業証書授与式 式辞
 今年の冬は寒い日が続き、雪もたくさん降りましたが、ようやく校庭の木々は芽吹き、小鳥のさえずりも聞こえるなど、本格的な春の訪れを感じる今日の佳き日に、卒業証書を手にした37名のみなさん、卒業おめでとう。
 そして、保護者の皆様・ご家族の皆様。皆様方の毎日の努力と、愛情の積み重ねがここに実を結び、今日の日を迎えることができました。本日はお子様のご卒業、誠におめでとうございます。また、お子様の入学から今日に至るまで、飯豊小学校にお寄せいただきました、数々のご支援、ご協力に対しまして、この場をお借りして、衷心より厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
 ご来賓の但野直治PTA会長様、ご多忙の折、本校、卒業式にご臨席を賜りまして、まことにありがとうございます。日頃より児童を温かく見守っていただき、重ねてお礼申し上げます。

 さて、卒業生のみなさん。私はみなさんとの出会いに、感謝をしています。 学校生活の様々な場面で先頭に立って、後輩たちをリードしてくれる、優しく、頼もしい6年生でした。なかでも、それぞれの学級で企画した、オリエンテーリングや、屋台巡りなどのスマイル班活動は、飯豊小学校の伝統として、継続させていきたい立派な活躍でした。お掃除のない日の休み時間に、自主的に廊下をモップ掛けする、6年生の姿をたくさん見かけました。でもそれに気付いたのは、私だけではなく、1年生2年生、たくさんの後輩たちも気づきました。そして気づいた後輩たちは、落ちているごみを進んで拾ったり、教室を掃除したりするようになりました。私は、うれしくて、1学期終業式に、学校が変わり始めたと伝えました。
 このような最高学年としての在り方を、後ろ姿で示してくれたみなさんは、後輩たちにとってあこがれの存在だったに違いありません。そして私たち教師にとっても自慢の6年生でした。飯豊小学校の最高学年としての在り方は、今、みなさんを見つめている5年生が、しっかりと引き継いでくれるはずです。

 昨日まで新しかったことが、明日には古くなってしまうと言われるほど、科学や技術の進歩のスピードは、想像以上に速く、社会の仕組みも、どんどん複雑になっていく中で、みなさんは社会人となっていきます。変化の激しい二十一世紀を担う、大切な子どもたちを育てる教育者として、卒業するみなさんへ、一つ、はなむけの言葉を贈ります。
 今を大切に生きるということです。飯豊小学校での、忘れられないかけがえのない六年間は、今を努力した結果です。自信を持ってください。そして、夢の実現と希望あふれる未来は、今を努力してつくっていくのです。目標をもってください。その目標に向かって努力をしてください。・・・たくさんの人と出会い、様々な経験を積み、自分にとって、本当に大切で、本当に必要なものを見極める力を、みがいていきましょう。すべての者が、夢を実現することはできないかもしれませんが、失敗を恐れ、今を努力しない者には、成功した喜びを味わうことはもちろん、失敗した悔しささえ、味わうことが許されないのです。どうぞ、今を大切に生きてください。
 みなさんの、これからの素晴らしい成長は、私たちの未来であり、私たち大人の希望です。
 地域とのつながりが強くて深い、飯豊小学校です。本来であれば、地域の方々やたくさんのご来賓の方々に、みなさんの晴れの姿をご覧いただきたかったところですが、新型コロナウイルス蔓延対策のために、残念ながら参加者の制限をして、実施せざるを得ませんでした。ですが、みなさんは、たくさんの方々の支えや繋がりがあってこの日を迎えることができたことを、忘れないでください。そして、その繋がりを大切にできる人になってください。

 名残りは尽きませんが、いよいよ、羽ばたきの時です。 目の前は晴れ渡っています。胸を張って、笑顔で飛び立ってください。 先生たちは、これからもずっと、みなさんの未来を精一杯応援します。 ご卒業、本当におめでとう。そして、ありがとう。   

令和4年 3月23日    相馬立飯豊小学校長   木村 裕之